专利摘要:
白金族金属を基礎とする水素化触媒の再生方法であって、前記白金族金属を基礎とする水素化触媒を50〜600℃において熱的に再生することを特徴とする方法。なし
公开号:JP2011514252A
申请号:JP2010549112
申请日:2009-03-02
公开日:2011-05-06
发明作者:ファンダー,シュトレテン,バールト;ラディウス,ゲールハルト
申请人:ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se;
IPC主号:B01J38-02
专利说明:

[0001] 本発明は、白金族金属を基礎とする水素化触媒を再生し、適宜望ましくない触媒毒の量を低減することに関し、また、この触媒を特にヒドロキシアンモニウム塩の製造に水素化触媒として使用する方法に関する。]
背景技術

[0002] 工業的に実施できるように触媒の存在下における反応処理では、使用する触媒の製造と再生にかかる費用、触媒の活性、選択性及び寿命は非常に重要である。このことは、酸溶液中で一酸化窒素を水素により接触還元してヒドロキシアンモニウム塩を生成することにも言える。この処理においては白金族金属を含む水素化触媒が使用されるのが一般的である。]
[0003] 特許文献1では、白金族触媒を再生する方法であって、白金族金属を酸若しくは酸混合物の溶液に入れ、必要により不溶性成分を分離し、得られた白金族金属塩溶液を中和し、これを担体に施し、必要により微粉化した硫黄と混合し、次いで必要に応じて、微粉化した硫黄での処理の前、間又は後に担体物質を加えて、還元剤を用いて得られた白金族金属を還元することにより使用済の白金族触媒を再生する方法が開示されている。不要な触媒毒による白金族金属を基礎とする水素化触媒の汚染が、反応条件下での使用中に一般に起こるが、これは触媒の製造中又は再生中にも起こる。一般に、望ましくない触媒毒は、出発材料、特に硫酸と共に触媒内に又は触媒上に導入される。特に、これら触媒毒は、特許文献1の再生方法によっては、触媒の活性白金から分離することができないか、あるいは不十分な程度までしか分離することができなかった。]
[0004] EP−A−620042]
先行技術

[0005] Jander-Blasius, Einfuhrung in das anorganisch-chemische Praktikum, 5th edition, 1964, p.415
Ullmanns Encyklopadie der technischen Chemie, 4th edition volume 23, Verlag Chemie, Weinheim, 1983, pp. 31-39
Ullmann, Encyclopadie der techn. Chemie, 4th edition, volume 16, p. 253 ff., Verlag Chemie, 1978
Verfahrenstechnik 24(1990)p. 36ff]
発明が解決しようとする課題

[0006] 従って、本発明の目的は、上述した欠点を改善することにある。また、本発明の目的は、水素化触媒の製造により得られたものよりも、活性及び/若しくは選択性が高く、低く又は同等であり、また/或いは再生までの寿命が短く、好ましくは同等に又は長く具体的に設定された水素化触媒を再生することにあってよい。]
課題を解決するための手段

[0007] その結果、我々は、白金族金属を基礎とする水素化触媒を再生する新規な且つ改善された方法であって、白金族金属を基礎とする水素化触媒を50〜600℃の温度で再生することを特徴とする再生方法を見出した。]
[0008] 白金族金属を基礎とする水素化触媒を熱的に再生する本発明の方法は以下のようにして実施することができる:
白金族金属を基礎とする水素化触媒は、好ましくは不活性ガス雰囲気下において、通常50〜600℃、好ましくは100〜450℃、特に好ましくは120〜400℃の範囲の温度において、予備精製(prepurification)せずに又は好ましくは予備精製した後に再生することができる。熱的再生の時間は、通常少なくとも0.5時間とすべきであり、通常0.5〜10000時間、好ましくは1〜100時間、特に好ましくは5〜80時間、特に12〜60時間である。]
[0009] 好適な不活性ガスは、熱的再生の条件下において不活性である全てのガスであり、例えば、窒素、希ガス、例えばヘリウム若しくはアルゴン又はこれらのガスの混合物、あるいは主として、即ち少なくとも60体積%、好ましくは少なくとも75体積%、特に好ましくは少なくとも85体積%、特に95体積%の不活性ガスを含むガスの混合物である。好ましい実施の形態では、気相中の酸素の割合は、通常1体積%未満、好ましくは0.1体積%未満、特に好ましくは100体積ppm未満とすべきである。気相の圧力はそれ自体重要なものではない。絶対圧力が通常0.01〜100バール、好ましくは0.1〜10バール、特に好ましくは大気圧より100ミリバール低い圧力と100ミリバール高い圧力の間の圧力である。]
[0010] 水素化触媒を予備精製するため、再生すべき水素化触媒を、中和するまで、即ち、洗浄液のpHが5〜8、好ましくは5.5〜7.5、特に好ましくは6〜7の範囲になるように、非連続的又は連続的に洗浄してもよい。このため、洗浄液の全量を複数に分けることが有利であり、また、このように複数の補助的工程(substeps)で洗浄(すすぎ)を行うことが有利である。]
[0011] 好適な洗浄液は、河川水、必要によりろ過した河川水、水道水、脱イオン水、特に脱イオン水である。洗浄液は、必要により、部分的に又は全体的に循環させることも可能であり、好ましくは部分的に循環させる。脱イオン水を循環せずに使用することが好ましい。]
[0012] 洗浄液を用いる予備精製の前又は後の熱的再生の前に、好ましくは熱的再生の後に、水素化触媒を、湿った状態、部分的に乾燥させた状態、乾燥させた状態又は乾いた状態のそれぞれの場合において、0〜150℃、好ましくは10〜120℃、特に好ましくは75〜105℃又は室温(周囲温度)(18〜28℃)において、絶対圧が0.1〜100バール、好ましくは0.5〜50バール、特に好ましくは0.9〜5バール、特に大気圧において、強酸を使用して処理してもよい。強酸での処理後に、洗浄液を使用する事後精製を、予備精製と同様の方法で行うことが好ましい。]
[0013] 好適な強酸は、強鉱酸、例えば、硝酸(濃度が30〜95質量%、好ましくは50〜80質量%、特に好ましくは60〜70質量%、特に濃硝酸)、硫酸(濃度が15〜98質量%、好ましくは20〜97質量%、特に好ましくは90〜97質量%、特に濃硫酸)、塩化水素ガス(濃度が15〜50質量%、好ましくは20〜45質量%、特に好ましくは30〜40質量%、特に濃塩酸)又はこれらの混合物、強酸のモノカルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸若しくはプロピオン酸又はこれらの混合物、又はジカルボン酸、例えば、シュウ酸、あるいは、鉱酸、モノカルボン酸及びジカルボン酸、好ましくは硝酸(濃度が30〜95質量%、好ましくは50〜80質量%、特に好ましくは60〜70質量%、特に濃硝酸)、硫酸(濃度が15〜98質量%、好ましくは20〜97質量%、特に好ましくは90〜97質量%、特に濃硫酸)、塩酸(濃度が15〜50質量%、好ましくは20〜45質量%、特に好ましくは30〜40質量%、特に濃塩酸)又はこれらの混合物から選択される同一又は異なる群の2〜5種、好ましくは2又は3種、特に好ましくは2種の混合物、特に好ましくは塩酸と硝酸の混合物(モル比が0.25:1〜4:1)、特に王水(硝酸に対する塩酸のモル比が3:1)、特にその濃縮した強酸を混合して得られる王水である。]
[0014] 以下の再生について記載は、再生するために取り出された触媒を、新しく製造された又は再生された水素化触媒に置きかえることにより、小規模(例えば、実験室レベル)でも、工業的若しくは大規模な工業的規模でも、非連続的又は連続的処理で、好ましくは連続的処理で、採用することができる。再生に用いる好適な装置又は容器の容量は、通常、水素化処理が行われる規模、及び、同時に再生すべき触媒の量による。再生は、工業的に又は大規模な工業的処理の場合には、連続的又は非連続的に行うことができる。]
[0015] 水素化触媒の熱的再生は、好適な装置又は容器内で触媒を貯蔵(格納)して構成することができる。このような実施の形態は、特に工業的又は大規模工業的処理の場合に好適である。]
[0016] 具体的な実施の形態(上述した条件、例えば、温度、圧力、出発材料及びその比は、以下の実施例でしか示されていなくても同様に適用される):
水素化触媒は、再生の前に、反応処理から除去又は一部を取り除く事ができる。必要により、取り除かれた触媒の複数の部分を連続して処理する。]
[0017] 処理から除かれた触媒は、好適なろ過装置、例えば平面ろ過器(加圧ろ過器や平台(flat-bet)ろ過器等)又は、例えば、フィルターキャンドル挿入部を有するろ過器で、上述したように中和するまで洗浄液で洗浄することができる。洗浄は連続的又は非連続的に行うことができる。]
[0018] 次に、必要により強酸での再生等の追加的処理工程を行った後、好ましくは強酸での再生を行わずに、触媒を本発明の再生に好適な装置に移動させる。]
[0019] 好適な装置又は容器は、特に、触媒を導入でき且つ少なくとも1つの流入パイプを介してガスが供給され、少なくとも1つの流出パイプを介して再び放出される、好ましくは密閉の、特に好ましくは気密のキャビネットである。ここで、気密とは、例えば、少なくとも30分間、流入ラインと流出ラインでバルブ(弁)を閉じた状態で、0.5バールのゲージ圧が、100ミリバール以下、好ましくは30ミリバールしか低下しないことを意味する。]
[0020] 導入するガスは、好適な再生温度が気相中で達成されるように、密閉キャビネットに導入する前、あるいはキャビネット内で加熱することができる。より良好な再生結果を得るためには、触媒をキャビネット内の薄層(thin layer)に分布させることが好ましい。この層の厚さは、50cm未満、好ましくは15cm未満、特に1cm未満とすることができる。]
[0021] ガス流は、触媒粒子の流動(化)が極めて小さくなるように、好ましくは流動が生じないように選択すべきである;ここで、流動とは、触媒粒子の旋回上昇(swiling up)のことをいう。このようなガス速度の限度は、触媒固体物の粒度分布に依存し、数学的に推測するか、実験的に決定することができる。ガス速度は、貯蔵時間が経過した後、乾燥固体物の質量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下、特に1質量%以下しか減少しないように選択することが好ましい。ガス流は、好適な送風機(blower)、例えば熱風送風機や水封式圧縮機等の圧縮機を用いて、あるいはより高く加圧されたガスを所望とする圧力に減圧することにより、例えば、リングシステムで10バールのゲージ圧で存在している窒素の圧力を所望とする圧力に減圧することにより、ガス流を発生させることができる。ガス速度は、例えば、オリフィス板の配置によって最大のスループットに調節することができ、また例えば、手動弁(manual valve)又は電子的に制御された弁によって調節することができる。]
[0022] この好適な装置はオフガス処理システムを有していても良い。これは、例えば存在する高温ガスを200℃未満、好ましくは100℃未満に冷却することができるガス冷却器を含む。ガス冷却機として、従来の熱交換器、例えば空気冷却器、シェルアンドチューブ熱交換器又はプレート式熱交換器を使用することができる。ガス冷却器の下流には、どのような濃縮ガス成分又は同伴固体粒子でも沈殿可能な沈殿容器が配置されている。この場合、例えば簡易なガス偏向(deflection)容器又はサイクロンを使用することができる。ガスの冷却及び沈殿の配置(構造)は本発明では重要なものではない。]
[0023] 貯蔵時間が終了した後、保護ガス雰囲気下で周囲温度に冷却する。保護ガス雰囲気は、特に、固体の温度が40℃未満に低下するまで維持する。冷却過程を早めるために、冷たい保護ガスを再生装置に送風してもよい;再度、流動化の限度未満にガス速度を維持しなければならない。保護ガスとして、加熱中にも使用した不活性ガスを使用することが好ましい。]
[0024] 触媒は、製造処理に再導入する前に、本特許出願で記載した強酸を用いる再生等の更なる処理に付してもよい。更なる処理工程を行うことは絶対に必要なものではないが、触媒を製造処理に再導入する前には強酸で処理を行うことが好ましい。]
[0025] 本発明の熱的再生方法は、触媒の活性及び/又は選択性を向上させる作用を有する。また、この2つの再生を合わせることで触媒が機能する時間を長くすることができる。先に起こる触媒の活性若しくは選択性の低下又は触媒の寿命の短縮は、特に、製造工程の出発材料(特に、水素、一酸化窒素及び硫酸や塩酸等の鉱酸、特に硫酸)と共に触媒に保持及び/又は触媒上に付着する触媒毒により、あるいは、触媒処理工程、例えば強酸による処理により引き起こされる。このような毒は、金属又は金属塩の群、特に、鉄、マンガン、クロム、ニッケル、銅、アルミニウム、水銀からなる群に属する金属塩の金属に起因する。硫黄、ヒ素及びセレン並びにこれらの元素を含む化合物も触媒毒として知られている。触媒毒は、特に銅、水銀、硫黄、ヒ素及びセレン、極めて特に銅、水銀及びセレン、極めて特に水銀、更にこれらの元素を含む化合物である。これらの元素の化合物の混合物又はこれら元素自体の混合物も触媒毒となりうる。一般に、これら元素は時に活性を強く低下させる作用、特に乾燥した触媒組成物で測定した各元素の限界濃度を超える作用を有する。これらの濃度限度は個々の元素及び乾燥した触媒の質量に対する触媒の全被毒量、即ち、触媒毒として列挙した元素の濃度に依存する。特に、触媒毒として列挙した各元素の濃度は1000質量ppm、好ましくは500質量ppm、特に300質量ppmを通常は超えるべきでない。水銀又は銅の濃度は通常、触媒毒として作用する他の元素やその元素の化合物とは関係なく、1000質量ppm、好ましくは500質量ppm、特に300質量ppmを超えるべきでない。これらの限度を超えるのを避けるため、又は、限度を超えた場合にその状況を是正するため、本発明の再生方法を、特に水銀の濃度を低下させるために用いることができる。]
[0026] 上述した白金族金属を基礎とする水素化触媒の使用に基づく化学的処理における生産量が、実行可能な複数の強酸での触媒の処理にもかかわらず、もはや十分に高くなくなった場合、本発明の熱的再生方法を採用することができる。本発明の熱的再生方法を触媒に適用する必要性の基準は、触媒組成物上の触媒毒の濃度の測定は別として、特に狙いとする硫黄での触媒の被毒がもはや行えなくなること、あるいは触媒の活性が過度な程度(即ち、好ましくは多くても5%)に増大せず、低い程度までしか行えなくなったことである。硫黄による被毒は、強酸を使用した再生過程で加えられた硫黄の量を、処理された触媒の質量で除することにより求められる。特に、硫黄の量が、再生すべき触媒の乾燥質量に対して、1000質量ppm未満、特に200質量ppm未満、とりわけ100質量ppmの場合に、熱的再生が採用される。]
[0027] 従って、本発明の熱的再生方法は、触媒の活性が、触媒又は触媒担体への触媒毒の蓄積によって望ましくない程度まで減少した場合に、水素化に好適な白金含有触媒の活性レベルを向上させる方法である。本発明の方法は、触媒の選択性及び/又は寿命に良い影響を与えることもできる。]
[0028] 本発明に関連する水素化触媒は通常、白金族塩を処理し、次いで処理された白金族塩を金属白金族に還元することにより得られる。]
[0029] 好適な白金族金属を基礎とする水素化触媒として、元素形態の白金族金属又は担体材料に担持された白金族金属、好ましくは担体材料に担持された白金族金属が挙げられる。]
[0030] 好適な担体材料は、二酸化ケイ素(石英を含む)、アルミニウム酸化物、例えばAl2O3、AlO(OH)、酸化カルシウム、二酸化チタン、例えば、ルチル、アナターゼ(鋭錐石)、活性炭、グラファイト、好ましくは活性炭又はグラファイト、特に好ましくは、本願において別の箇所で定義した群の触媒毒を微量しか含んでいないか、あるいは含んでいないグラファイトが好ましい。]
[0031] 使用可能な白金族金属塩は、原理的には、水素化に好適な全ての白金族金属塩、例えばニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、イリジウム及びルテニウムの塩、好ましくはパラジウム及び白金の塩、特に好ましくは白金の塩である。これらの金属の水溶性塩、例えばハロゲン化物、窒化物及び硫酸塩が好ましく、より適している。例えば:
− 白金(IV)化合物、例えばヘキサクロロ白金酸並びにそのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、テトラクロロ白金酸塩又はテトラクロロジヒドロキシ白金酸;
− 白金(II)化合物、例えばテトラクロロ白金酸及びそのアルカリ金属塩又は塩化白金(II);
− パラジウム(II)化合物、例えばヘキサクロロパラジウム酸及びその塩又は塩化パラジウム(II)
が挙げられる。]
[0032] 原理的には、本質的な白金族金属の混合物又は白金族金属塩と他の金属塩の混合物を使用することもできる。]
[0033] 望ましくない触媒毒は、水銀、セレン、銅からなる群から選択される元素又は元素の化合物、好ましくは水銀、銅からなる群から選択される元素又は元素の化合物、特に好ましくは水銀又は水銀の化合物である。]
[0034] 望ましくない触媒毒は通常、水素化用の出発材料とともに触媒又は担体の中又は上に導入される。]
[0035] 担体材料上の触媒毒が、熱及び/又は化学的再生処理の結果、あまりにも急激に減少する場合、触媒は過度に活性になり及び/又は過度に非選択的になる。]
[0036] 適宜目標とする方法で触媒の活性を抑えるため、また、適宜目標とする方法で選択性を高めるため、触媒毒を故意に被毒させるために使用することができる。この方法は、強酸での処理の一部として以下に記載する。]
[0037] 目標とされた方法で使用可能な好適な触媒毒、即ち、触媒の活性、選択性及び/又は寿命が目標とされた方法で設定可能であり且つ洗浄及び強酸を用いる再生処理で白金から分離可能である触媒毒は、例えば硫黄又は亜ジチオン酸ナトリウム(Na2S2O4)である。]
[0038] 部分的な被毒に役立つ硫黄として、微粉化された硫黄、例えば市販されている「硫黄華」を使用する。粒子径が500μm未満、好ましくは50μm未満の硫黄が好ましく、特に20%の粒子が1μmより小さく、50%の粒子が5μmより小さく、90%の粒子が10μmより小さい粒度分布を有する硫黄が好ましい(粒子径は、MALVERN Mastersizerを用いて測定した。実施例参照)。好適な硫黄は、例えば「Kumulus(登録商標)WG」(BASF)として市販されており、また、公知の方法、特に硫黄華又は細かく粉砕された硫黄から篩をかけることにより得られる。]
[0039] 通常、白金族金属塩は、金属塩水溶液を微粉化された硫黄に接触させることにより、水溶液中で微粉化された硫黄で処理する。硫黄は、コロイド状硫黄溶液としても使用することもできる(非特許文献1参照)。硫黄は、水性懸濁液として加えることが好ましい。]
[0040] 原理的には、好ましい溶媒水を他の溶媒に置きかえることもでき、あるいはこれを水に加えることができる。硫黄は、乾燥粉末として白金金属塩の溶液に導入する。]
[0041] 更に、出発化合物の溶解性又は分散性を改善する物質を反応混合物に添加してもよい。このために特に好適な物質は、この研究に基づけば、硫黄の溶解性及び湿潤性(wetting)を改善するための慣用されている全ての界面活性剤である。]
[0042] 好適な界面活性剤(分散剤とも称される。)は例えば非特許文献2に記載されている。例えば:ポリアクリレート、ポリビニルスルホネート、ポリビニルピロリドン、TAMOL(登録商標)(BASF)、Schaeffer塩及びリグニンスルホン酸塩が挙げられる。]
[0043] 特に好ましい実施の形態では、リグニンスルホン酸塩(例えば非特許文献3で知られている)、好ましくはリグニンスルホン酸アルカリ金属塩、例えばリグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムを界面活性剤として使用する。その理由は、リグニンスルホン酸塩は、得られた触媒を洗浄した場合に洗浄液で容易に除去でき、早く分解するので環境的な汚染を引き起こさないからである。]
[0044] 界面活性剤は通常、硫黄を白金族金属塩に添加する前に、反応混合物に添加するか、有利には水性硫黄懸濁液に添加する。]
[0045] 硫黄に対する界面活性剤の質量の割合は通常、0.1〜50質量%、好ましくは1〜15質量%の範囲から選択する。これまでの研究に基づけば、界面活性剤が50質量%を超えると、硫黄の溶解性の大幅な改善に至らず、0.1質量%より低い量だと、はっきりと確認できる改善に至らない。]
[0046] 白金族金属塩を微粉化硫黄で処理している間の温度は通常、20〜95℃、好ましくは40〜95℃、特に好ましくは50〜85℃の範囲から選択する。]
[0047] 白金族金属塩を微粉化硫黄で処理している間のpHは通常、1.5〜11.5、好ましくは2.5〜8.5、特に好ましくは4.5〜8.5、極めて特に好ましくは5.6〜6.2の範囲から選択する。]
[0048] 白金族金属塩は、Na2CO3を用いてpHを3.0まで中性化する。次いでこの溶液をpHが5.6〜6.2になるまで酢酸ナトリウムで緩衝化する。]
[0049] 白金族金属塩を微粉化硫黄で処理する時間、即ち、微粉化硫黄の添加から還元剤の添加までの時間は、通常0.5〜60分、好ましくは2〜15分の範囲から選択する。0.5分より短い処理だと通常、触媒が十分に被毒されない。一方、60分より長い処理の場合、以前の経験に基づけばその利点がない。]
[0050] 白金族金属に対する硫黄の質量の割合は通常、0〜30質量%、好ましくは0.5〜15質量%の範囲から選択する。]
[0051] 硫黄で一部被毒させた後、有利には微粉化硫黄で白金族金属塩を処理した後に得られた反応混合物に還元剤を添加することにより、白金族金属塩を金属白金族に還元する。]
[0052] 使用可能な還元剤は通常、白金族金属塩を金属白金族に還元する全ての公知の還元剤であり、例えば、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ギ酸又はギ酸アルカリ金属若しくはギ酸アルカリ土類金属、例えば、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム及びギ酸カルシウム、特に好ましくはギ酸である。]
[0053] 白金族金属に対する還元剤のモル比は通常、モル過剰量、好ましくは少なくとも2倍、好ましくは少なくとも10倍、特に好ましくは少なくとも40倍のモル過剰量から選択する。]
[0054] 反応中の温度は通常、20〜98℃、好ましくは40〜95℃、特に好ましくは50〜90℃の範囲から選択する。]
[0055] 反応が完了した後、触媒を通常慣用の方法、例えば、反応混合物からろ過し、有利には水で洗浄する(連続的又は非連続的に排出された洗浄液のpHが5.0〜7.0、特に好ましくは6.0〜7.0となるまで)ことによりワークアップ(仕上げ)を行う。]
[0056] 従って、強酸を使用する再生は、
a)強酸で触媒を処理する工程、
b)任意に、再生溶液を中和する工程、
c)硫黄等の触媒毒で所望の程度まで被毒させる工程、
d)白金を還元する工程、
e)任意に、再生した触媒を中和するまで水で洗浄する工程、
を含む。]
[0057] 強酸を使用する再生の前に、触媒を中和するまで水で洗浄することが理想的だが、必須ではない。本発明の熱的再生は、強酸を使用する再生を行う前に行うことができる。]
[0058] 好ましい実施の形態では、還元及び適宜微粉化硫黄での処理は、グラファイトや活性炭等の触媒担体、好ましくはグラファイトの存在下で行う。微粉化硫黄での処理の前に、白金族金属塩は微粉化グラファイトと混合することが特に好ましく、グラファイトはその90質量%超、好ましくは95質量%超が、0.1〜1000μm、好ましくは1〜300μm、特に好ましくは2〜100μmの粒子径を有することが好ましい。]
[0059] 炭素(グラファイト又は活性炭)に対する白金族金属のモル比(割合)は、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%、特に0.05〜2質量%の範囲から選択する。]
[0060] 本発明の方法により得られた触媒は、先の研究に基づけば、有機及び無機化合物の水素化に適している。]
[0061] 本発明の触媒は、好ましくはオレフィン性又はアセチレン性不飽和化合物、例えばC2−C12−オレフィン及びC2−C12−アルキン、好ましくは水溶性C2−C12−オレフィン及びC2−C12−アルキン、特に好ましくは脂肪族C2−C12−オレフィン及び脂肪族C2−C12−アルキン、極めて特に好ましくはプロペン、ブテン、ペンテン、プロピン、ブチン、ペンチンの水素化に使用され、更に、カルボン酸、例えばC2−C12−モノカルボン酸及び水溶性C4−C12−ジカルボン酸、特に好ましくは酢酸、プロピオン酸、酪酸、グルタル酸、アジピン酸、アルデヒド、例えばC2−C12−アルデヒド、好ましくは水溶性C2−C12−アルデヒド、特に好ましくはエタナール、プロパナール、ブタナール、ペンテナール、ヘキセナール、又は対応するアルコールに対するケトン、あるいは対応するアミンに対するニトリルの水素化に使用することができる。また、本発明の触媒は、酸素等の無機物質の水素化に好適であり、特に、水性鉱酸中で、一酸化窒素を水素化することによりヒドロキシアンモニウム塩を生成するのに好適である。]
[0062] ヒドロキシアンモニウム塩の生成は通常、一酸化窒素に対する水素のモル比を1.5:1〜6:1、好ましくは1.6:1〜5:1として行う。]
[0063] 一酸化窒素の水素化は通常、30〜80℃、好ましくは35〜60℃において行う。また、水素化中の圧力は通常、1〜30バール(絶対圧)、好ましくは1.3〜10バール(絶対圧)から選択する。]
[0064] 鉱酸に対する触媒の比は、本質的に白金族金属及び反応器の圧力によるが、白金の場合は、鉱酸1リットル当たり白金/グラファイト触媒が5〜100g、好ましくは10〜30gである。]
[0065] 更に好ましい実施の形態では、特にヒドロキシアンモニウム塩の生成において、水素化の前に、触媒を酸溶液中で、有利には水素化を行う鉱酸中で、水素で処理(「活性化」)する。]
[0066] 本発明の触媒は、これまでの研究に基づけば、例えば硫黄により標的手法で再被毒されない限り、活性、選択性及び寿命に関して、同じ目的に用いられる公知の触媒と比べて優れている。目標とする被毒において、本発明により再生した触媒は、同等の活性、選択性又は寿命を得るため、本発明により再生しておらず、触媒の同じ基礎的全量から取り除かれた触媒よりも、硫黄の添加をより多く必要とする。水素化触媒を製造及び再生する本発明の方法は、触媒を使用可能な時間が長いので、触媒の使用量が低減されるという利点を有する。除去及び処分しなければならない単位時間当たりの触媒は少ない。]
[0067] 実施例1:粒子径の測定
MALVERN Mastersizer(非特許文献4も参照)を使用して粒子径を測定した。波長633nmにおけるフラウンホーファー回折を測定した。粒度分布は、焦点距離f=300mmの前部レンズを選択し、1−600μmの範囲において測定した。]
[0068] 測定を行うため、試験すべきスパチュラチップ量の粉末を、1リットルの0.1重量%濃度のNekanils910水溶液(BASFAG;Nekanil(登録商標)910は、9〜10molのエチレンオキシドと反応させたノニルフェノールである;性質:透明、無色、粘性液体;非イオン性、20℃における密度:1.04g/cm3;流動点:−10℃;1重量%濃度の溶液のpH:6.5〜8.5)に加えた。測定前に、試験すべきこの混合物を1分間超音波処理に付した。]
[0069] 実施例2:熱的再生
微粉化硫黄で部分的に被毒された白金族金属を基礎とする水素化触媒の熱的再生。]
[0070] 熱的再生を920kgの湿った触媒を用いて行った。この触媒を種々の容器に分配し、オーブンに入れた。920kgの触媒を60個以上の容器に分配した。]
[0071] このオーブンを満たしたときに温度のプログラムを開始した。温度のプログラムは以下の表の温度の通りである。]
[0072] ]
[0073] 処理の前と後において、分析測定により熱的再生をモニターした。ここで重要な点は、白金への化学吸着により測定された触媒の活性が改善したことである。処理前において、2000cm2/g〜5000cm2/gの範囲(触媒組成物の複数の無作為試料)、典型的には2500cm2/gの化学吸着値が測定された。処理後においては、5000cm2/g〜8000cm2/g、典型的には7000cm2/gの値が得られた。熱的再生前のグラファイト上の水銀の量は全ての試料で200〜400mg/kgであり、本発明の再生後は10〜50mg/kg、典型的には20mg/kgであった。]
[0074] 触媒の反応速度を熱的再生前に測定した。その速度は0.01molのN/h/gcatであった。熱処理後、反応速度は0.09molのN/h/gcatに上昇した。]
[0075] 実施例3:化学的再生
熱的再生に使用したのと同一の触媒を化学的に再生した。]
[0076] 熱的再生を行わずに化学的再生を行った場合、明白に白金表面を増加させることも、水銀含有量を低下させることもできなかった。再生前の化学吸着測定値は2000cm2/g〜2800cm2/gであった。化学的再生後の化学吸着値は2000cm2/g〜2800cm2/gで変化しなかった。水銀の含有量は、化学的再生の前後において、200〜400mg/kg、典型的には350mg/kgであり、未変化のままであった。]
実施例

[0077] 実施例4:熱的再生後の化学的再生
実施例3の熱的再生後、上記のように処理した触媒の320kgを、化学的に再生した。実施例3に記載した白金の表面積と水銀の濃度は、全ての無作為試料において実施例3で得られた範囲のままであった。]
权利要求:

請求項1
白金族金属を基礎とする水素化触媒を再生する方法であって、前記白金族触媒を基礎とする水素化触媒を、50〜600℃において熱的に再生することを特徴とする再生方法。
請求項2
前記再生を保護ガス雰囲気下で行う請求項1に記載の白金族金属を基礎とする水素化触媒の再生方法。
請求項3
前記白金族金属を基礎とする水素化触媒を、熱処理後に強酸で処理をする請求項1又は2に記載の白金族金属を基礎とする水素化触媒の再生方法。
請求項4
請求項1〜3の何れか1項に記載の方法により再生した白金族金属を基礎とする水素化触媒を、無機又は有機化合物の水素化に使用する方法。
請求項5
無機化合物として一酸化窒素をヒドロキシアンモニウム塩に水素化する、請求項4に記載の再生した白金族金属を基礎とする水素化触媒の使用方法。
請求項6
有機化合物としてオレフィン性若しくはアセチレン性不飽和化合物又はカルボン酸、アルデヒド若しくはケトンを水素化する、請求項4に記載の再生した白金族金属を基礎とする水素化触媒の使用方法。
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同族专利:
公开号 | 公开日
EP2252396A1|2010-11-24|
US20110008238A1|2011-01-13|
DE102008012227A1|2009-09-17|
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
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